俺様保健医の甘い罠《fin.》
小さな咳払いにドアの方を見ると、雨宮センセと佐野センセがいた。
「久世くん、それ以上は冬姫くんの合意なしには――…」
「あ?何言ってんだ?」
ウチには理解できへんコトを口にする雨宮センセの言葉に、間髪入れずに久世が返した。
「コイツの髪が絡まってたから直してたんだよ」
「なんだ」
『なんだ』とはなんや!
雨宮センセは一体何を期待しとんやろ?
首を傾げるしかないウチに、薄気味悪い笑顔を向けてくる雨宮センセ。
何でこないに薄気味悪いんかわからんわ……。