俺様保健医の甘い罠《fin.》
「ん~…。瀬戸クンよりかは喋ってくれる人がええかな?」
「そっか~。葛原さんって明るいもんね」
ニコッと笑って言った女の子は、帰りのチャイムが鳴ると同時に、「バイバイ」と言って帰った。
それを合図にするかのように、次々にみんな帰ってしもうて、最後にはウチしかおらんかった。
このままおってもしゃあないし、帰ろかな……?
シャンパンピンクのケータイを片手にスクバを肩に掛け、まだ見慣れない校舎を歩く。
保健医の久世センセ、一見冷たそうやったけど、優しかったやん。
何故か、ウチはまた久世センセに会うてみたいと思った。