俺様保健医の甘い罠《fin.》
購買があるのは二棟で、階段を下りて渡り廊下を渡らなあかん。
「冬姫。階段から落っこちないでね」
「わかっとるよ~。那由ちゃんはしんぱ……」
ドンッ!!
階段を下りていたウチの肩に、上がってきていた男子の肩がぶつかった。
フラついた体を支えられるわけもなく、真っ逆様に落っこちてく。
「冬姫ーっ」
上から那由ちゃんの声がする。
怖いとか思えへん。
ていうより、そんなん思うヒマない。
頭から真っ逆様に落ちていってんねんやから、死んでしまうかもしれん。
結構痛いんやと思う。