俺様保健医の甘い罠《fin.》


笑うんなら、わかりやすく笑えばええのに…。



「いただきまーすっ」


「パンくず、こぼすなよ」


「わかってるよ。……久世せぇんせは食べひんほ?」



モゴモゴとメロンパンを頬張りながら聞いたから、うまく喋れなかった。



久世センセは呆れたような顔をして、更には溜め息まで吐いた。



「腹減ってねぇ」


「ふーん」


「お前、授業終わったらここに来いよ」


「なんで?ウチなんかした?」



思い当たることは……ない、ハズ。



メロンパンは買いに行かしてしもうたけど、後はなんもしてへんのに……。



「家まで送ってやる」


「へ……?」



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