俺様保健医の甘い罠《fin.》



よしっ―――と小さく呟いて、足を校舎へと進める。


校舎はやたらと綺麗で、靴音が響く。


いい学校生活が送れそうな気がする。


気がするんだけど……。



「あかん……。迷うた……」



入学の案内と一緒に届けられた校舎の地図を片手に、呆然と立ち尽くす。



ひ、広すぎや……!!


叫びたい気持ちを抑え、もう一度地図に目を落とす。



「ここドコなん!?てか、一棟ってどっちやねん!!」



一度は気持ちを抑えたものの、右も左も分からずついつい叫んでしまった。



「――うるせぇ」



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