俺様保健医の甘い罠《fin.》
何でおるん!?
来たらすっごい注目浴びるてわかっとらんの!?
「来い」
「はーい…」
仕方ないけん、那由ちゃんに「バイバイ」と言って、久世センセの後をついて行く。
ほんま、背中からも視線を感じて、体中痛いわ……。
何でウチがこんな目に……!!
「ほら、乗れ」
昨日も乗せられた車に乗り込み、ふてくされた顔で前を見つめる。
「なに機嫌悪くなってんだよ」
「なっとらん」
「なってるだろ」
「なっとらんよ。ただ…」
ウチが一旦口を噤むと、「『ただ』?」と久世センセがウチの言葉を繰り返す。