俺様保健医の甘い罠《fin.》
これは……、案内してくれるんやろか。
黒のパンツのポケットに手を突っ込んで、歩き出した。
「置いてくぞ」
「えっ!?ま、待って!!」
スタスタと先を行く保健医を追い掛ける。
保健医の足が長いせいか、ウチは小走りになってしまう。
渡り廊下を渡り、隣の棟に移って連れて行かれたのは、職員室ではなく、1年B組。
先に連れて行かれるんは職員室やと思っとった。
「じゃあな」
「あっ、おおきに!!」
即座に踵を返す保健医の背中に、大声でそう叫ぶ。
それに応えるように保健医が、ヒラヒラと手を振る。