俺様保健医の甘い罠《fin.》
「ここ、パーティー会場」
ウチの考えがわかったんか、久世は振り向いて教えてくれた。
ですよね……。
でも、こんな豪華なとこでパーティーできるなんで、やっぱり久世はお坊ちゃん!?
「早く来い」
「う…うん」
ヒールやけん、歩きにくい…。
久世がイジってくれた髪がアップになっとるけん、項《うなじ》がスースーするし、頭が重い。
久世の隣まで行くと、当然のように腰に腕が回される。
久世のクセ?
いっつも久世はウチの腰に腕を回す。
久世に誘導されながら、パーティー会場に足を踏み入れた。