俺様保健医の甘い罠《fin.》
保健医の姿が見えなくなったのと同時に、パタパタと後ろから足音が聞こえてきた。
「おや、ここに居たのかい」
「へ…?」
銀縁眼鏡の先生と思わしき人が、ウチに笑いかける。
う…薄気味悪い。
気持ち悪い訳やない。
寧《むし》ろ目の保養にはなるんやけど、笑顔見た瞬間に背筋にゾゾッと寒気が走った。
長めの髪はサラサラで、さっきの保健医に負けんくらいのイケメン。
何や……
ここの合格基準は顔かいな?
「おっと、自己紹介だね。冬姫くんの担任をする、雨宮だよ」