俺様保健医の甘い罠《fin.》
「落ち着きなって」
「落ち着いてる」
「それもそうだね~」
目を細めて笑う雨宮センセ。
それを無言で見る久世は冷めた目。
「用件言え」
「旅行、行かない?」
「…………は?」
いつもあんまり表情を見せない久世だけど、今回ばかりは目を見開いて驚いている。
突拍子もない雨宮センセの話に、ウチもついていけてへん。
「だから、旅行だよ」
「俺がお前と?」
「違うよ~。そんなの気持ち悪いでしょ」
呆然とする久世に、おもしろそうに話す雨宮センセ。