夢を求めて
召集場所に引き上げてきたリコを迎えたのは小柳だった

「おめでとう」
「ありがとうございます」

小柳と話すその姿を村井は少し離れたところから見ていた

喜びで興奮しているが、顔色は良くない

あれだけのレースをした後だ

いつ発作が起きてもおかしくない

今すぐにでも手を引き病院に連れて行きたい気持ちを村井は必死に抑えた

レース直前、リコは言った

”どんなにダメそうでも表彰式が終わるまで待ってて欲しい”

村井はリコを見守っていた

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