夢を求めて
一方のリコは許可されたことが嬉しく、自分が病気だということを忘れて真っ黒に日焼けするまで泳いだ

最初は顔すら水につけられなかったリコだが、泳げるようになるのに時間はかからなかった

その夏、リコは初めて大歓声の中泳いだ

リコにとって忘れられない初めての夏だった

誰よりも一本一本のレースを楽しみ、水の感触を心に残していた

長くは続かない夢の時間だと心のどこかで分かっていた
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