夢を求めて
夏が過ぎ、冬が過ぎ、やがて二度目の夏が来る頃、リコの体に異変が現れた

定期健診にきたリコの胸の音を聞いていた平田は聴診器を当てる手が止まった

その様子にリコが気付く

リコ「音悪い?」
平田「んっ・・・」

服の裾から入れていた手を抜き、聴診器を机に置きながら平田は眉間に皺を寄せた

調子が良くない時、平田は決まってこんな顔をする

リコは行儀よく揃えた膝を掴んで、泣きそうになるのをこらえた
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