season
美奈が転校してから1週間が過ぎた。
大会まであと3週間。
エースアタッカーを失ったあたしたちは、まとまりがなく、練習に集中できなくなった。

そんなとき、転校生がきた。
名前は本城 太陽。
暑苦しそうな名前。
それが太陽の第一印象だった。

「あたし、みあ。よろしくね。」
席が隣になったあたしは、太陽に声をかけた。
「うん。よろしくね♪」

太陽は明るくて、運動神経が良くて、顔も整っていてかっこいいし、笑顔はとてもかわいくて、たちまち人気者になった。

「ねえ、この学校ってどんな部活があるの?」
「運動部だとテニスとか、野球とか、アーチェリーとか、卓球とか、サッカーとか、あとは、陸上とか、剣道とか、バレーとか…」
「バレー部あるの?」
「あるよ。あたし、バレー部だし。」
「ほんと?俺、バレー部入りたい!」
「男バレの顧問は杉本先生だよ。」
「杉本先生って?」
「背が高くて、髪の毛は…あ、ついてきて。」
あたしは職員室に向かった。

「杉本先生、ちょっといいですか?」
「どうした?」
「あの、俺、バレー部に入りたいんですけど。」
「ああ、ちょっとまってね。」
机の中から入部届を取りだした。
「これに名前書いて持ってきて。」
「はい。」
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