ヤンキー君のお隣に♪<完結>
「似てるの」
「えっ!?」
「私の好きだった人、正確に言えば今でも好きな人と君の性格が似てるの。…だから、分かるの」
「先輩の好きな人って誰ですか?」
俺に似てる性格だと言われると、それはそれで気になってしまう。
「そんなの、言えるわけないでしょ。…君に良いこと教えてあげる。女の子のことをいろいろ知りたいときは、その子に質問するよりも、先に自分のことを話す。……これがモテる男の常識よ」
なんか、この先輩…勘違いしてる気がする。
俺は別に先輩のことをいろいろ知りたいんじゃなくて、俺に似ている性格の男を知りたいだけなんだけど…
――――
その後、しばらく先輩の話に付き合っていたが、バスの時間が迫っていたため、先輩にメアドだけを教えて、その日はそのまま帰った。
メアドを教えたのは、本当に軽い気持ちから。
このときの俺は舞と付き合うなんて思ってもいなかった。
あの日がくるまでは。