ヤンキー君のお隣に♪<完結>
有紀の一言、一言がとても嬉しかった。
「なんか、舞に素直にお礼言われると気持ち悪い…」
「なんでよ!」
「だって、舞…中々私に『ありがとう』なんて言わないじゃん?」
「そんなこと……ないよ?」
もしかしたら、有紀に心から感謝の気持ちを述べたのは今日がはじめてかもしれないけど…。
――
キーンコーンカーンコーン
2限目のはじまりを告げるチャイムが鳴った。
「「やばっ!!」」
二人、慌てて教室に向かう。
そう言えば、次の授業なんだっけ?
…
…
……
……って。
体育じゃん!!!
体育の授業は私のクラスのA組と有紀のクラスB組、合同に行われていて、ほとんどの場合、体操服に着替えて体育館かグラウンドで行われる。
「ねぇ……舞?」
「何!」
「次の授業、サボらない?」
「ダメ!!」
一応、これでも私、皆勤賞狙ってるんだから。
「え――?もういいじゃん。サボろうよ!」
「ダメ!!」
一つ言い忘れていた。
有紀はサボり癖もあるんだった。
この後、私たちは10分遅れて体育の授業に参加した。
体育教諭から大目玉を食らったことは言うまでもない。