ヤンキー君のお隣に♪<完結>
―――
放課後。
「舞ちゃん、今日一緒に帰れる?」
珍しく奈保ちゃんに声をかけられた。
「あっ、ごめん。今日は無理…また今度ね」
最近、自分でもわかってる。
奈保ちゃんと上手くいってないって。
まぁ、私が急に奈保ちゃんに「ライバルだ」って言ったからなんだろうけど…
「そっか…」
それにしても…高倉君なんか都合あるのかな?
「高倉君と帰ればいいじゃん」
「………」
奈保ちゃんは何も言えなくなってしまった。
わかってる。
自分でもひどいことを言ったって。
でも、なんか奈保ちゃんに、半分嫉妬してて思ったことがそのまま口から出てしまった。
怖いよね、女の嫉妬って。
バカみたいだよね、女の嫉妬って。
ふと、高倉君の席に目をやると高倉君と目が合ってしまった。
3秒ほど見つめあった後、高倉君が口を開いた。
「さっきは……悪かった」
その言葉に、2限目に止まったはずの涙がまた溢れそうになる。
なんで?
なんで謝るの?
高倉君、私が欲しい言葉はそんな言葉じゃないよ。