ヤンキー君のお隣に♪<完結>
「大丈夫だから、行こ?」
まだ心配した顔をしている松山君の肩を軽く押して、生徒玄関に向かった。
風邪かな?
なんか体がダルい。
そういえば、今日は朝から鼻水が止まらなくてティッシュ一箱使いきったっけ。
あーあ、やだな。
こんな時に風邪ひくなんて。
季節はもう冬。
私の住む地域は冬はとっても寒くなる。
ふと窓から外を見ると粉雪が舞っていた。
外に出ると、予想以上に寒かった。
でも、もっと私の体を冷たくしたのは
2人の歩く姿だった。
高倉君と奈保ちゃん。
結局、一緒に帰ってんじゃん。
なんで、私を誘おうとしたの?
なんで私に謝まったの?
聞きたいけど、聞けない。
この声は届いてはいけない声だから。
「くしゅん」
寒い。
「先輩!寒いですか?」
「うーん、ちょっとね」
そう言うと、松山君の手が私のおでこに触れた。