ヤンキー君のお隣に♪<完結>
「…なんで…振り向いてもくれない…んだろ……って…」
園原先輩の言うことは不思議と、俺にも通じることだと思った。
ずっと俺は奈保だけ好きだった。
他の女の子なんてどうでもよかった。
でも、奈保は俺ではなくきっと、高倉先輩を選ぶ。
だから…
「…わたし…知らなかった…よ。恋がこんなに…切ないって…恋がこんなに苦しいって…恋愛ドラマとか恋愛小説みたいに…簡単にハッピーエンドなんて……ムリなんだよね…」
そう、恋愛では誰もみな簡単にハッピーエンドは迎えられない。
勉強みたいに努力すれば上手くいくわけでもない。
努力しても報われないほうが多いかもしれない。
「……こんな……こんな…切ない恋ならしなきゃよかった。…こんなに苦しい思いするなら、高倉君なんか…好きにならなきゃ…よかった…」
俺は園原先輩の手の上にそっと自分の手を重ねた。
うつむいていた先輩は顔を上げ俺を見つめた。
先輩の涙でキラキラ光った目をしっかり見つめて、俺は聞いた。
「それ、本気で言ってるんですか?」