ヤンキー君のお隣に♪<完結>
有紀が松山君を軽く睨んだ。
「ここ、私たちのお気に入りスポットだったのに、邪魔しに来たの?」
「い、いえ…俺はコイツに…」
松山君は隣の男子を見た。
「はっ!?俺たちはただ、屋上に入ろうと…」
「生徒指導室の鍵をこっそり取ってきたっていうわけね」
「盗聴(きい)てたんですか?」
「私たち、ここに居たのよ。聞こえて当然でしょ?それより、あんた名前は?」
有紀は特に初対面の男子には口調が荒くなる。
理由は私にはよくわからない。
まぁ、有紀が男嫌いなのは昔からだけど…
「橋元光紀です」
「橋元光紀?どこかで聞いたことある」
そういえば、私も……
「あっ、コイツ…この前の新人戦で卓球のシングルスで優勝したんですよ。この前、全校集会で校長が褒め称えてたの覚えてませんか?」
「…ああ、そういえば…」
校長先生が「橋元君は我が校の誇りだ」とかなんとか言ってたっけ。
「ふーん、ねぇ…褒め称えられた人がなんでこっそり鍵持ち出していいの?バレたらヤバいんじゃない?」