ヤンキー君のお隣に♪<完結>
有紀の言葉に橋元君は目をそらした。
「それとも、そこまでして屋上に入りたい理由があったの?」
その言葉に橋元君の肩が小さくビクッとあがった。
「図星ね」
「先輩たちは屋上の噂、聞いたことありませんか?」
「噂?…ああ、数十年前にこの学校の生徒が屋上から飛び降りたんでしょ?自殺しようと思って。まぁ、その生徒は奇跡的に助かったみたいだけど。そして、それからこの学校の屋上に鍵がかけられたっていう噂なら聞いたことがあるわ」
その話、私も知ってる。
高校入学した当初は「どうしてウチの学校は屋上立ち入り禁止なんだ!」ってブーイングおきてたもん。
その頃、流行ってたドラマやマンガには屋上で友達と昼食をとったり、彼氏と隠れてチューしたりするシーンがあって、私もそんな生活に憧れてたっけ。
でも、その噂が流れた後はブーイングも無くなっていった。
「だから屋上立ち入り禁止になったんですか?初めて知りました」