ヤンキー君のお隣に♪<完結>
「は?知らなかったの?」
「はい」
「俺も知らなかったです」
「じゃあ、あんたたちの言ってる噂ってのは…?」
「そんな暗い話じゃないですよ。屋上で願い事を大声で叫ぶと願いが叶うって話です」
…………
「初めて聞いたけどさ、それって超恥ずかしくない?」
「……別に」
「だって、そんな大声で願い事を叫んだら、外にいる人たちみんなに聞こえちゃうじゃん。ねぇ、舞?」
「うん…私だったらやらない」
この学校の生徒、先生、地域の人たちみんなに聞こえる可能性あるじゃん。
そんなの恥ずかしいよ。
「でも、それで願いが叶うなんて安い話じゃないですか?」
橋元君ってどういう価値観してるんだろう?
「そこまでして叶えたい願い事ってなんなの?」
「それは、屋上で叫ぶまでは言えません」
そう言うと橋元君は持っていた鍵を鍵穴に差し込んだ。
カチャ
キーー
屋上の扉が開いた。
激しい風が一気に私たちの体の熱を奪ってくる。