ヤンキー君のお隣に♪<完結>
そう言いながらも松山君の足はなかなか前に進まない。
「…どうしたんだよ、智也。早くやれよ。大丈夫、先生来ないように俺、見張っててやっから」
「…ああ」
松山君は屋上の中央に向かって歩きだした。
松山君、誰の名前叫ぶんだろ?
奈保ちゃん?
それとも
まさか…私!?
って…
自惚れすぎか。
松山君は屋上の中央に立って空を仰いだ。
そして、大声で叫んだ。
「好きな人と付き合えますように!!!」
………
その場の空気が一瞬固まった。
「……え……?」
「智也、お前曖昧すぎ。その「好きな人」の名前言わなきゃ意味ねぇだろ」
「…わかってるけど」
有紀が私の肩をバシッて叩いた。
「……っ…痛っ…」
「しょうがないわね。舞、後輩に手本を見せてあげなさい」