ヤンキー君のお隣に♪<完結>
まやちん?
……
…あぁ、そういえば俺と園原先輩が出会った日。
俺に告白してきた先輩。
あの人がこの中にいるわけだ。
……
園原先輩には邪魔するなと言われた。
ここで待ってろとも言われた。
だが、何もしないで先輩達が帰ってくるのを待つことは、俺にはできない。
中には、奈保がいる。
ずっと片思いしていた相手がいる。
そして
園原先輩もいる。
今、好きな人がいる。
その二人を守る責任は俺にあるんだと思う。
俺は意を決して扉を開けた。
中には思った通り、「まやちん」と、奈保、園原先輩がいた。
ゆっくり園原先輩のいる方に近づく。
俺の存在に気づいた先輩は、一瞬驚いた顔をした。
「邪魔じゃなくて、ちょっとしたお手伝いなら、してもいいですよね?」
先輩だけに聞こえるような声で俺はささやいた。
先輩はかすかに頷いた。
それを合図に俺は「まやちん」を見た。
「俺も同感。人を脅して自分の言う通りにさせる奴、嫌いだな。」