ヤンキー君のお隣に♪<完結>
その言葉にずっと俯いていた「まやちん」は顔を上げて園原先輩を睨んだ。
「なによ、偉そうに!…私は…私は!…あんたみたいに二股かけないで…ずっとずっと一途だった。友達も彼氏も1人いればそれで良かった。……なのに、それなのに…あんたらは集団になって私の心を踏みにじった。みんな表では仲良くするくせに…裏では私の悪口ばかり。私、知ってたんだから!!…みんな、私と表面上の付き合いしかしてないって!!……私をこんな風にしたのはあんたたちじゃない!!」
「まやちん」は溢れた涙を拭おうともせず、園原先輩を睨み続けている。
「ちょっと、止めてよ。そんな被害妄想。だいたい私も二股なんてしてない。友達も好きな男子も1人でいい。
私らがまやちんの心を踏みにじったって? 冗談じゃないわよ。まやちんが勝手に悲劇のヒロインぶって私らの元を離れたんでしょ?
確かに私らまやちんの悪口一度も言ったことないって言ったらウソになる。
でも、その分…昔は…中学のころは『まやちんって絵上手いよね』とか『まやちんの睫毛長いよね』とか誉めてたりもしたの。
それなのに、まやちんはどんどん私らに冷たくあたるようになった。
だから私らもまやちんから離れた。それだけよ」