ヤンキー君のお隣に♪<完結>
「だから、負け組君とお付き合いはできないの。ごめんなさいねー。まぁ、負け組同士頑張れば?…じゃあ、私はこれで。しーっれい!」
そう言うと「まやちん」は軽やかなステップをしながら視聴覚室を出ていった。
……なんだったんだ、あの人は…?
「ったく、ホント下手なんだから」
園原先輩は「まやちん」が出ていった方を見つめながら笑みを浮かべた。
「何がですか?」
「照れ隠し」
「照れてたんですか?」
「まぁ、それゃ照れるでしょ?自分の過去を暴露されて、おまけにいつもは見せない弱いところを人に見られたら」
…
……なるほど、だからあんなに態度を。
「でも、まやちんは今日を境に変わる気がする」
「だと、いいですね」
「もし、あの子がまた同じ過ちを繰り返そうになったら、また協力してよね」
「はい」
先輩のその言葉に俺は、ずっと聞きたいと思っていたことを思い出した。
「先輩と「まやちん」っていう人は友達なんですか」
「……うーん、友達?…じゃないな。知り合い以上友達未満ってところかな?……それほど仲良くはないんだけど、でもいないと困るの」
「そうなんですか…」
なんとなくわかった気がする。
先輩達はきっと友達じゃないから上手くいってるのだと思う。
言葉で上手く表せないけど、先輩達は友達以上の強い絆で結ばれている
そんな気がした。