ヤンキー君のお隣に♪<完結>
●修Side
―――
春休み
俺は奈保と…奈保だけとデートの約束をしていた
はずだった…。
「修、おはよう!」
早足で手を振りながら近づいてくる彼女。
その姿を見るだけで、今日のデートが楽しみになる。
「じゃあ、行こう」
奈保の手を握り、歩き出す
はずだったのに…
「奈保ちゃん!高倉君!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
嫌な予感がして、後ろを向くと案の定、奴もいた。
「高倉先輩、おはようございます」
「おい、松山。なぜお前がここにいる?」
「なんでってもちろんダブルデートですよ、ほら、約束したじゃないですか」
「そんな約束したつもりない」
「修!修!そんな怒らないでよ。いいじゃん、みんなで遊んだほうが楽しいし」
「もしかして奈保が呼んだのか?」
「そうだよ♪」
ニコッと微笑む奈保に文句の一つも言えなくなってしまった。
「じゃあ、行こう!」
松山は奈保の手をとった。
「松山、手を離せ!お前は彼女と手を繋げ!」
「フフッ…冗談ですよ」
俺、バカにされてる気がする。
「お前、ついてくることだけは認める。だから、奈保に触るな!俺に話しかけるな!」
そう言いきって
俺は奈保の手を引っ張り歩き出した。
後ろからクスクスクスクス笑う声が聞こえ、腹がたった俺はますます歩く速度を上げた。
隣を歩く奈保がクスッと笑った気がした。
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作者から
修のSideストーリーを思いつくまでにはけっこう時間がかかりました。
結果、ちょっとかっこわるいかな?
って、感じの修を見せちゃいました。
(でも、作者個人的には少しかっこわるい男の子のほうが好きです。何もかも完璧な子って、なんだか自分も完璧にならなきゃダメな気がしちゃうんですよね…)
続編ではもう少しかっこいい修をお見せできたら…と思います。
ではでは次は舞Sideです。