ヤンキー君のお隣に♪<完結>
★翔Side
俺は見てしまった。
我が弟がストーカーをしているところを。
大学の帰り道、ふと寄ったコンビニで俺は修を発見した。
声をかけようとしたが、修は真剣な顔で、遠くにいる女の子を見ていた。
ドリンクコーナーで商品を手にとって見てるのは、よく見ると修の彼女だった。
なぜアイツ、奈保ちゃんをあんな真剣に…
不思議に思っていると
奈保ちゃんは会計を済ましてコンビニから出ていった。
その後ろ姿を追うように修も出ていった。
そして俺もそれに続くことにした。
コンビニを出ても奈保ちゃんの隣に修が行くことはなく、修はそれこそドラマでよく見るように、電柱に身を潜めながら、
奈保ちゃんの後ろ姿を追うように、後をついていく修。
あれ警察見たら職務質問されるぞ。
そう思った俺は、修に声をかけることにした。
「修?」
「う、うぁ!…って兄貴かよ」
「お前、何やってんだ?学校は?」
今は13時、奈保ちゃんもそうだが、高校生は学校に行ってる時間だ。
「…サボった」
「サボったって、お前…単位大丈夫か?」
「……」
「奈保ちゃんもサボりか?」
「ちげーよ、アイツは体調崩して早退」
修の今の話を聞いて、俺はわかってしまった。
「お前、奈保ちゃん心配だから早退したのか?」
「…だったらなんだよ」
「お前、優しいな。…でもなんでストーカーみたいに後ろ姿を追ってるんだ?彼氏なんだから堂々と隣を歩けばいいだろ?」
「…んなことしたら、奈保がキレる。学校サボるなと口うるさいから」
「……フ…フファ…ハハハハ」
「なんで笑うんだよ!!」
「いや、お前可愛いな」
「はっ!?」
ついつい本音がもれたけど、我が弟は見た目とは正反対で純粋で一途だということが改めてわかった。
――
―――――
作者から。
いいですね~修みたいな男。
こんな彼氏、三次元にいるのかな?
いてほしいけど…きっといても彼女が美人じゃないとねぇ…
なーんて(照)
作者、恋愛に飢えてるよ。
悲しい現実だ(笑)
次は誰だっけ?
多分、鈴原琴音Sideです。