ヤンキー君のお隣に♪<完結>
☆鈴原琴音Side
――――
「茉奈、好きだよ」
「私も」
私たちは互いを求めるように抱き合った。
そして2人の唇が静かに重なった。
<完>
―――――――
「何?何?鈴原ちゃん、また書いてるの?」
「そう、ようやく完結。全然、納得いってないけど」
「恋愛小説って案外、難しいよね~やっぱり自分の経験談が軸になることも多いし」
「うん」
私の通う学校は私立の女子校だから、新しい恋なんていうのは見つけるほうが難しい。おまけに事故にあってから、過保護な両親に送り迎えしてもらう日々が続いているため、男性とふれあう機会も減っていた。
…そういうわけで私は高倉君以外の男子に恋したことがない=良い小説が書けないのだ。
「っていうか、もうすぐバレンタインじゃん。今年も本命なしかー」
親友の美加はそう言いながら机に顔を伏せた。
「大丈夫、友チョコがあるじゃん!」
そう言っても効果は0。深いため息をつかれてしまった。
そりゃそうか。友チョコは誰でもあげてるけど、本命をあげる人ってなんだか格別な感じがするし。
「美加、あと一年、JKでいられるんだからきっと彼氏できるよ」
「う…ん」
力のない返事が返ってきた。
まぁ、私もできる自信はないけど…
……
「じゃあさ!」
私はシャーペンを握った。
「今度は美加を主人公にした恋愛小説書くよ」
「ありがとう!鈴原ちゃん、私を主人公にしたら絶対文学賞とかとれちゃうよ」
美加の目がキラキラと輝いた。
全く、その自信はどこからくるのかしら?
そう思いながら、私はシャーペンを握る手に更に力をこめた。
――
――――
作者から
はい、この話は鈴原琴音の名前を借りながらも、作者の実情を語っています。
バレンタインが憂鬱で仕方ない今日この頃…。
皆さんは素敵なバレンタインをお過ごし下さい。
作者は友チョコ作り、頑張ります…
ではでは次は中村先生Sideです。
念のため
※JK=女子高生
です。(馬鹿にしてるわけではありません、念のため…です)