アニマル☆バカリズム
「あ、読者さんからの好感度をあg」
「読者とかいうなぁああ!」
ふー、危ない危ない。こいつは物語ってものを知らないのか。物語の中でキャラクターが読者とか言っちゃったら夢も何もなくなっちゃうよ。え? さっき閲覧数とか言ってたじゃんかって? あれは俺の心中なんで気にしちゃいけない方向で。
「朝から二人で何を騒いでるんですか?」
心で独り言を言っていると、背後から声がかかった。この落ち着いた声色は……
「レックス、一緒にビフィズス菌やろう!」
「今日も良い天気ですね」
幼なじみのレックスだ。コイツは人あたりが良くて、見た目も良いから、昔からみんなの人気者。俺からしてみりゃ、気・に・食・わ・な・い。それに此処だけの話し、良いのは表面だけなんだぜ。ニコニコと満面の笑顔でビーグルの誘いをスルーするところあたりでわかってもらえるだろうけど。……いや、誰でもビフィズス菌はスルーするか。
「ボクは楽しいんだけど、ロボっちが怒ってるんだよねー」
スルーされた事にも全く気付いていないビーグルは、一人でビフィズス菌ポーズをしながらそう訴えている。怒らせたのはオハヨーグルトのお前だろ。俺がそう言おうと口を開いたのと同時に、ビーグルは何かを思い出したかの様に思いきりを手を叩いた。
「今日、日直だったんだ! 日誌取りに行かないとーう。では、アディオス!」
そういって教室から出て行くのを見届ける、俺とレックス。もうなんなんだよ、アイツは。