あっぷあっぷ

四カ月

　あなたのママは今日はお出かけ　生まれて四カ月のあなたなのに

　それも昔の知り合いの集まりだったから　実家でお留守番

　ママが帰ってくるまで　ひもじかったわね？

　あなたはお気に入りのオルゴールとほっぺをなぜられるのが好き

　『千と千尋の～』を歌ってあげたら、今までにないほど微笑んで

　ああ、きっと心のやさしい子に育つだろう。

　みんながびっくりするようなことをして

　だれもがうらやむ恋をして

　そうしてうつくしい家庭を築くでしょう。

　あなたの叔母であるわたくしはね、とてもとても勘がいいの

　妹があなたを身ごもったときいては馬油を二つ買い

　一つはあなたのため

　もう一つは　まだ生まれるかもわからないもう一人の妹の赤子のため

　おしつけなんていわないで　第六感なの　いつもそう

　だって「きっとだれかの役に立つ」って信じて入手したの

　あなたの頬に鉱物油のベビーローションがよくないときいて

　馬油が役にたちだした

　ほうらね？　ほうらね？　私の心は歓喜でいっぱい

　




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