君と一緒に幸せを探して。
また真希の目から雫がたれてきた。


「ぅ....うん..私。ずっと、ま...待ってる。」


「ありがと。」


真希は涙を流しながら一年教室に入った。


“ごめんね”と“ありがと”どっちを言えば正しいだろう。


きっと“ありがと”だよね・・・。


────キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴った。


俺は急いで教室に入った。


教室に入っただけで勉強はしなかった。


と、いうかできなかった。


教科書を開いてぼーとしているだけ。


頭の中では「真希との誓い」と、そして「真希が本当に俺のことを好きでいてくれるのか」という不安が交互に回っていた。


そんなことが朝のHRから帰りのHRまで続いた。
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