君と一緒に幸せを探して。
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今日もお前はいない・・・。


お前がくれた手紙はぬれてぐしゃぐしゃになっていた。


何度も何度もその手紙を見た。


そして俺は決意した。


「お前の気持ちを受け取ろう。」「お前の願ったことをしよう。」と...


だからお前を忘れる。何日かかるか、何年かかるかは分からない。


一生かかるかもしれない。


でも忘れよう。これがお前にできる最後の優しさだから・・・。


だから...俺は“雛”と呼ばず、“お前”と呼ぼう。


“雛”と呼べば、何もかも想い出しそうだから・・・。


そして、今日ここで俺の中にいた雛はいなくなり・・・お前となった...。


雛の存在を消した。想いでも消した。


ただ、最後にもらった手紙は消すことができなかった・・・。


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