君と一緒に幸せを探して。
───ウィーン


俺たちが来た時とまったく一緒の音がした。


その直後俺はいけない者を見た。


───────何で?


───────何でこの場所に?


───────今更何の用事?


俺は頭がおかしくなり、真希を連れてこの場所から去ろうとした。


が。


「「琉斗?」」


この言葉が去ろうとした俺を止めた。


真希と、お前が同時に発した俺の名前。


心配している声の真希と、今にでも泣きそうなお前。


早くこの場から離れたい。一分一秒でも早く。


でもそれは無理だと分かっていた。


お前が・・・雛がそうしてくれないと分かっていたから。
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