遠距離恋愛


理子は次々と用件を話す。



『あのさ、夏輝が9時半くらいに乗ろうって言ったのはウチだって言うんだよ?』


絶対言っていないといわんばかりの口調で、話し続けた。


『ウチそんなこと言ってないよね?』

私に尋ねてきた。

そんな話全く知らない。

電車の話なんて、今日が初めてだよ。


「でも、9時半って早いよね?」


私も言い続ける。


『10時くらいのでいいよね?』

理子の言葉に賛成だった。

「いいと思うよ」


私は即答だった。


『夏輝に相談してみる?』

「うん」

と私は言ったとき、電話越しから理子のお父さんの声がした。


『今、決めちゃえよ』

と言う声だった。

『今決めちゃえだって。どうする?』


「えー」

『10時のでいいよね?』

「うん」



そうして、話は終わった。



やっぱり私ってダメだな。


少し落ち込んだ。






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