遠距離恋愛
恋空
君は言った通り駅にいた。
そんなに久しぶりじゃないのに、会わない間の時間が長く感じた。
君は少しからかいながら、私に向かっていった。
「あれ~。背、ちっちゃくなった?」
夏輝と私を比べてそういった。
私は、内心照れていたけど、顔には出さなかった。
「う、うるさいなぁっ!」
そういって、私は手に持っていたバッグを振り回した。
君は、見事な程にかわして私にいった。
「全然変わってないね」
君は、そういって笑った。
うんと低くなった声。
見上げるほど高い身長。
『新しい君』
そういっても可笑しくないくらい。
私は少し寂しくなったけど、笑った。
ちょっぴりつらかったけど、笑った。
君が笑ってくれるなら、私も笑うよ。
夏輝と君はお似合いなのかもしれない・・・。
心の中でそう、思ってしまった。
なんだか心が暖かかった。
そして、色々話している途中に理子が口を開いた。
「そろそろ、どこか行かない?」
「うん、そうだね」
時間も時間だったし、反対するものは誰もいなかった。
ファミレスに寄ろうと話していたけど、遠いからといってやめた。