遠距離恋愛


雨が降りそうだったから、みんな傘を持っていた。

けど、私は続けて塾があったから折りたたみ傘をバッグの中に入れておいた。

しかし、理子はあまりの混雑に

「ちょっとここやめない?」

私より5センチほど低い理子が立ち上がった。

「え~いいじゃん」

君は、自由型人間。

私は最初から知ってたよ。

双子座のB型。

一番苦手だったのに。


いつからか君への想いが強くなった。



「じゃあ頼んできま~す」



さすがB型人間だ、と思ってしまった。


「わ~・・京ちゃん人の話聞いてない」

夏輝が批判の目を向けた。

「ウチ、マジ帰っていい?」

理子が厳しい目をした。


そんなのを無視して、君は並んでいた。


私は、「まぁ、いいや」と思ってイスに座りなおした。


バッグから本を取り出して、私は読み始めた。


「も~あり得ないわ~」


理子はそういいながら、また座った。


夏輝は君が座っていた席に座り、かばんを下ろした。



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