遠距離恋愛
「ねぇ、理子待ってよ」
私は理子を引き止めた。
夏輝は、君の近くで話していた。
私は足を止めて、夏輝のほうに引き返した。
「夏輝、理子が・・・」
そういうと、夏輝も立ち上がって理子の後を追った。
「ちょっと理子!」
夏輝は強い口調で、理子の肩を掴んだ。
半ギレ調子の理子は、きつい目で振り返った。
「だって、今回こそは勉強ちゃんとするって言ったじゃんか!」
理子のぱっつんな前髪が揺れた。
私は黙ってしまった。
沈黙が続いて、私と理子は君が座っているテーブルに戻った。
私は、重いバッグを膝にのせた。
ずっしりきて、落としそうになった。
でも、夏輝のバッグはいかにも軽そうだった。
理子は真面目に来たのになぁ~・・・。
「・・・」
理子は、むっすっとした顔で座った。
夏輝は君をなだめて、犬のように扱っていた。
「ほら、行くよ」
手を引かれ、君は慌てる。
「ちょっと待って!」
というが、ちょっとではない。
「行くよ~」
夏輝がまたグイグイと引っ張る。
「だから待ってって!」
君は負けずと食べ続ける。