遠距離恋愛


数秒による、夏輝と君との会話が終了した。

「なんていってた?」

私が聞きたかったことを、真っ先に聞いたのは理子だった。

「えっとね、今どこにいるの?って」

夏輝は携帯電話をバックに入れながらいった。

「で、ここにいるって言ったの?」

「うん、そしたら」

会話に混ざるつもりのない私は、何となく聞き耳を立てていた。


...忘れてた、わけじゃないよ。


「『今からそこに行くから』って言ってた」

夏輝が言い終わると同時に、私は向きを変えた。



...ここは、君の家から5分もかからないところにあるという事。


「なんで?」

理子は、私の言いたいことを先にいう。

「さぁ?」

夏輝も知らないような顔をした。




ねぇ...。

もし君は、私が『会いたい』と言ったら

会いに来てくれるの?



夏輝と私が同時に君に言ったら...

どっちを優先させてくれるの?






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