遠距離恋愛
「んじゃぁ...」
美樹が勝手に選び始めた。
「え、ヤダよ。美樹」
私は慌てて美樹を止めた。
「じゃあいいよ。菜乃香、あげる」
「はぁ?!」
美樹は私を押して、男子グループゾーンに入った。
「じゃ、続行ってことで」
美樹は軽々しく言った。
「OK♪」
そう言ってみんなイスを持ち始めた。
私は気がのらないまま、イスを持った。
3個1遍に持って行こうとしたら、バランスを崩してしまった。
「あっ!!」
私の腕の間に...
「康...くん?」
「無理しなくていいよ。俺、持つから」
そう言って、私のイスを持ち上げた。
「あ、ありがと...」
私は、顔が真っ赤になったのが自分でも分かった。
私...康くんと、初めて話したかも......。
私は頬を押さえた。
ほんのり暖かかった。