遠距離恋愛


明るい毎日も幕を閉じる。

受験日が近づいてきていた。


後いくつ寝ればいいのか、片手で数えられる。

今日寝て、明日寝て、朝が来ればその日が来る。


そしてようやく……


待ってましたといわんばかりに多い人ごみ。

慣れない服装を着て、真面目な感じを漂わせる。


大勢居る人の中小さく私は歩き始めた。


塾の先生は門の前に2人来ていて、入る前に握手してくれた。


なぜだか、そんなに緊張していなかった。

…したといえば、面接かな。

集団面接だったからちょっと焦った。


そういえば、前に夏輝たちから聞いた。

「京ちゃんも受けるって」

京介くんも受ける。

夏輝も理子も受ける。

同じ学校を。

私も受ける学校を。

誰が受けるか、落ちるかなんてわからない。

けれど、応援も出来ない。

『頑張れ』

じゃなくて、みんなに送ったメールは

『頑張ろう』

だった。


それがきっかけかな。


久々に君宛のメールを送ったのは。


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