短編■ 制服の頃

あの頃の悩みと言えば、授業中にお腹が鳴るだとか、

最近彼氏が素っ気ないだとか、

バイト先の時給が上がらないだとか、

どうして頭髪検査で自分ばかりひっかかるのかだとか、

なんで友達はすっぴんでもクマがないのだとか、

体重が後一キロなかなか落ちないだとか、


本気で悩んで、本気で友達と騒いで――…


宿題してない自慢や、昨日寝てない自慢や、二週間コンタクトレンズを三ヶ月着用してる自慢、

意味不明なことが爆笑ネタで大声で騒ぐ近所迷惑ぶりが最高だった。



やたらパジャマパーティーを開催し、

夜になるとテンションが上がるので、

カミングアウト話をしたり、通販番組にツッコみを入れて笑いの次元が低いことに爆笑。



放課後はファミレスで男子交えて恋バナ大会、ファーストフード店で他校の子と顔なじみになったり―――


単純に無敵だった。

一人じゃ弱い癖に、誰かと居ると幸せと笑いしかなかった。


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