短編■ 制服の頃

だから、それは。

結局、今に満足していないのだろう。

だから昔の楽しかった頃ばかりに浸りたくなるのだろう。


あの頃は良かった、そう思う時は、何か他に頑張ることが必要な時なのかもしれない。


働き出すと友達、彼氏となかなか会えなくて、『学校さぼって遊ぼう』のようにはいかない。

『仕事さぼって遊ぼう』なんてならない。


眠いからって学生の時のように遅刻できないし、だるいからって早退できない。

自分の気持ちのままに…


女子高生になりたい。

そう思うなら、まだ何か見付けなきゃ。

今、変わらないといけない時期なのかもしれない。


毎年、この季節のこの時期は切なくて堪らない。

あの頃が恋しくて堪らない――…


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