ヤンキーダーリン


次の授業が始まった。
でもいつもみたいに集中できない。あの人のことで頭がいっぱいだった。考えても考えても思い出せない。誰だったんだろう?思い出したくてしょうがないのに思い出せない。そんなことを考えてるうちに授業が終わり、放課後になった。
「美央ー。」
「どした?」
「なんか今日の美央変だよ。」
「そんなことないよ。」
「そうかな。まあ、なにかあるならこの親友の姫香に相談しなさーい。」
と行ってにっこり微笑んだ。

そして、私と姫香は学校を出た。
「ねぇ、美央。」
「なに?」
「姫香カラオケ行きたい!」
「いいけど、姫香時間大丈夫なの?」
「大丈夫。一応親にメールしたし遅く帰っても心配されないから。」
「ならいいけど。」

でも姫香はいいよね。
ちゃんと両親がいて。
私には両親がいない。
私が小学校4年生の時に交通事故にあって亡くなったんだ。
私の目の前で。
あの時はつらかった。死にたかった。両親がいなくて私は生きてる意味がないと思ったから。そんな時に姫香に出会ったんだ。
姫香はものすごく明るかった。
すごくいい子だった。
だからすぐに姫香とは仲良くできたんだ。今は祖父の家で暮らしてる。祖父は私を大事に思ってくれている。それが嬉しかった。

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