しゃぼん玉
二人でいつもの喫茶店に入る。
仕事が忙しく、最近ゆっくり話せてなかった。
愚痴をゆうのは好きじゃない。
だから普段は私はあまり親友のマナにも
言わない。
「仕事どう?
なんか最近あんた辛そうやけど。」
マナの、柄にもなく心配そうな顔がコーヒーをすする。
「えっほんまに?
頑張ってるからかなあ~!あはは~」
私は相変わらずおちゃらけて返す。
心配してくれてるマナに感謝しつつも
これ以上心配かけたくないと、変に強がって見せてしまう。
私の悪い癖だと思う。
「嘘やろ。
…大丈夫じゃないんやろ?ナツ…」
そんな私の悪い癖も、嘘も、マナの前では通用しない。
私の作り笑いの裏を見透かすマナ。
その心配そうな顔を見たら、
今まで我慢して堪えていたものが
溢れだした。
「うっ…ふっ…ごめ…」
静かな喫茶店のなか。
静かに涙する。
私はマナにだけ、弱虫な自分を出せる。