しゃぼん玉

2年。


辛くて辛くても我慢してきた仕事。


もう限界だった。


私は心の底から笑わなくなっていたから。


作り笑顔の仮面だけを張り付けて

生きていたから。



「ナツ…もういいんちゃうかな?
一回ゆっくり休み。
なっ?」



「うん…そうする。
ありがとう。」


私は今まで執着していた仕事を、あっさり辞めた。



友達と毎日遊び、毎日笑った。


一週間友達と海外旅行にも行った。



仕事を辞めて一か月もたっていなかったが、

私は次の職を探さなきゃ!


と焦っていた。



でも、まだ心が弱っていて不安だった。



そんな時マナが


「うちで働かん?
うちの店、今、人足らんくて困ってんねん~。
バイトやし時間あるから、働いきながらゆっくり次の仕事探したらいいやん☆」


知らない人ばかりの所より、マナがいれば安心だなぁ!



マナは、高校を卒業してからずっと同じパチンコ屋さんで働いている。



職場の人達はみんなすごく仲良しで、マナもすごく楽しそうで

うらやましく思っていた。



私は、まだ少し不安に思いながらも


マナに
「ほんまやなぁ~ぢゃあそうする☆」


と返事をした。


今思えば、

これが運命の始まりだったのかもしれない。
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