御主人様のメイド
何を言ってるの…?
あたしはお父さんが言ってることの意味がよく分からなかった。
「やめてっ!夏姫に触らないでっ!!」
お母さんは傷だらけの体を起こし、お父さんの足を掴んだ。
「うっせーんだよっ!てめぇは黙ってろ!!」
「きゃっ!」
「お母さんっ!」
お父さんはお母さんの手を振り払い、足で蹴った。
「行くぞ夏姫」
「嫌だっ!」
あたしはお父さんから離れ、お母さんをまた揺すった。
「どうしてこんなことするの?!あたしたち家族でしょ?!」
「…もういい。夏姫はいらない」
「お父さん…!」
お父さんは荒々しく飛び出して行った。
「お母さん!お母さんっ!!」
「夏姫…ごめんね…あなたをこんな目に合わせてしまって…」
「…いいの。そんなことより自分のこと心配して!今救急車呼ぶからね!もう少し頑張って!!」
あたしは携帯を取り出し、119と押した。