御主人様のメイド



お母さんは病院に運ばれ、今治療を行っている。

どうか助かりますように…。

そう願っていると手術室の文字の明かりが消えた。

すると先生が手術室から出て来た。



「先生っ…お母さんは…」


「無事ですよ。しばらくの間は入院生活になりますが」


「そうですか…」



でも良かった…。

お母さんが無事で…。


あたしはお母さんがいる病室に向かった。

中に入るとお母さんは静かに眠っていた。


「…お母さん」


あたしはお母さんの手をギュッと握った。


あたしはお父さんが許せなかった。

お母さんをこんなにも傷つけ、平気で出て行ったことを…。



それからお母さんは無事退院し、いつもの生活に戻った。

しかし、いつもと違う所はお父さんがいないこと…。

あたしはなぜお父さんが出て行ったのか理由を知りたかった。

でも聞けなかった…。

お母さんがまた傷ついてしまうんじゃないかって。

お母さんも出て行っちゃうんじゃないかって。

そう思うと怖くて聞けなかった。



そして結局お母さんとお父さんは離婚した。
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