バツ2彼氏

先生は驚いたようにあたしを見る。

「先生、顔に出るから分かるんだ」

「…」

「本当は迷ってるでしょ?」




少しの沈黙の後、先生はゆっくりと口を開く。


「あいつは今までのことを死ぬほど悔やんでる。もう遅いかもしれないけど今からでもやり直したい、って泣いて俺に話してきた」

「…」

「健がそれを望んでいるかは分からないけど」

「健くんは、表向きはお母さんのこと嫌ってるけど…。あれは本心じゃないと思う」

「前田?」

「本当は誰よりもお母さんのことを求めてる。家族との時間を求めてる気がする」

「…」

「あたし、別れてもいいよ…?」

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