バツ2彼氏

「あの約束は果たせなかったけど、せめて1人で来てみたくなって。いい街だね!」

『…』

「これはあたしのケジメ。先生を忘れる為の旅行なの」

『前田…』

「夜には帰るから。心配しないでね、先生」

あたしは涙を拭いて、無理をして明るい声を出す。

「あと健くんのこと責めたりしないでね」

『…』

「あたしが100%悪いの。健くんも、先生も傷つけるようなことしちゃったんだよね」

『俺にも責任が…』

「ううん。あたしは…、この先2人がぎくしゃくしたらどうしようって。それだけが心配で…」

『…』

「お願い。健くんを責めないで」

『…ああ』

少し間を空けてから先生は小さく呟いた。
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